ヤフーショッピングストアに出店を検討する人に向けて

2013年10月7日にヤフーショッピングストアの出店料・手数料の無料化が発表されました。
このタイミングで出店を検討される方もいると思いますので、そもそもヤフーショッピングが
どんなモールなのか、楽天などの他のモールと何が違うのか、把握している範囲で説明
したいと思います。


まずはヤフーショッピング・ヤフーオークションのストア数推移を見てみましょう。

ストア数の発表は2011年3月までなので、そこまでの数値をまとめています。
2010年11月に店舗数が急激に伸びたのは、GMOグループが展開するショッピングサイト
構築サービスであるメイクショップと提携をして、ヤフーショッピングへの出品を可能にした
ためです。それを含めなければ18000店舗程度、含めても20000店舗程度で店舗数が
横ばいだったというのが現状です。

楽天が安定的に出店数を伸ばしていたのに対して、ヤフーはこの状況を打開するために
大出血のキャンペーンなどを結構やっていました。例えば出店料無料キャンペーンを何度か
やったこともありますし、楽天店舗を無料で出店させる施策、上記のGMOとの提携や
DeNAショッピングとの提携(DeNAショッピングに出店するとヤフーショッピングにも同時出店
できるサービス)なども行っていました。その上でもあまり出店数、つまりは商品数をあまり
伸ばせなかったというのが実情でした。

この辺楽天との比較で言うと、楽天は自社で出店営業の部隊を持っているのに対して、
ヤフーは昔はテレウェーブ、その後GMOと営業部隊をずっとアウトソースしていたことも
影響しているのではないかと思います。


4半期ごとのヤフーショッピング・ヤフーオークションの取扱高の推移が上記です。
1ヶ月当たりに直すと、ざっくりヤフオクが月600億、ショッピングが250億といったところです。
ちなみに楽天の月の取扱高が1000億、アマゾンが600億です。
ネットショッピングの傾向として、年末商戦の12月の取扱高が跳ねるので、10月~12月の
取扱高は他の4半期に比べて大きくなります。

ここ2年、特にショッピングの取扱高は伸びていないだけでなく、直近の6ヶ月でいうと、
前年割れをしているという危機的状況でした。このようなジリ貧に陥った状況が今回の
出店料・手数料の判断に至らせたものと思われます。


さて、店舗側から見てヤフーショッピングがどういうモールだったかに関して印象を
書いておきましょう。
楽天との比較で言うと、検索の精度があまりよくないというところとメルマガからの反応が
あまりよくないというのは大きな差ではないかなと思います。これは知り合いの複数の
店舗からも同じ声を聞いています。

ただ、楽天と違い何かにつけてお金を取られるようなやり方をしていないので、そのへんは
好印象ではありました。手数料も安めで、楽天のように特定の時間にメルマガ配信しようと
するとお金がかかるとか、そういうこともなかったので。


最後に、今後手数料が無料化するということなので、今後どうなりそうかという予想を
書いておくと、他のモールよりも商品の価格を下げる店舗が出てくると思います。
基本的に出店料と手数料で大体売上の10%くらいコストがかかるのですが、それがなくなる
ので、その分広告に使ったり、値段を下げる原資に使ったりできるようになります。
それから家電やブランドなどの薄利な店舗の出店が増えるようになると思います。

心配事としては粗悪店舗が増えるのではないかということ。商品を購入したのに発送
されないとか、その手の問題は以前からどのモールでも起きてはいたのですが、
そうした問題がヤフーショッピングで増える可能性があるのではないかと思われます。

実際出店している店舗の立場としては、知り合いの店舗も含め、かなり嫌がっています。
これから増えるであろう一部の粗悪店舗のせいで、以前から出店している店舗に対する
お客さんのイメージも落ちてしまうことになるので。

ちなみに楽天等、他モール出店者は今回の無料化後も何かと優遇されるようなので、
いろいろと担当に話を聞いてみるのもよいかもしれません。

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